元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
ここどこ?
「まぁ素敵! とっても美味しそうだわ」
「え……」
「あら? コーヒーだけなんですか?」
「え? え?」

 目の前に、とても綺麗な女性がいる。
 年の頃は二十代……後半? 

 綺麗に染められたライトブラウンの髪は肩より少し下のミディアムヘアで、しっかり内巻きに整えられていて実にエレガントだ。

 爪の根元が少しだけキラキラしたベージュピンクのネイルは上品で、シャンパンカラーのワンピースにマッチしている。

 どこをとっても隙のない完璧な女性だ。

 ネイルか……。羨ましい。子育て中の私には全く縁のないものだわ。

 テーブルには食後のコーヒーと思われる飲み物が二つ。
 いや、彼女の前にあるのは紅茶かな。その横にはカラフルなマカロンやフルーツ、シャーベットがのったプレートが置かれている。

 なんて優雅なティータイム。
 どうしてあのプレートが私の前にはないのかしら。
 あのプレート、私も食べたい!
 
 …………じゃなくて、ここどこ? この人誰?
 なんで私、突然この人とお茶しているの?

 周りを見渡すとここは見るからに高級そうなレストラン。
 たぶん、ホテルの最上階にあるようなフランス料理店だ。

 私の右側にある窓を見ると、遠くに街の夜景が広がっている。
 うん、間違いなく高層階だ。

 どうして自宅マンションから高級レストランに飛んでいるのだろう?
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