元カレと再会ワンナイトで愛を孕んだので内緒の出産をしましたが入れ替わったらバレました
「本当に呼んでよ? 悠太(ゆうた)に使いっ走りさせてもいいし」
「何だよー。俺パシリかよー」
「ハハハ……うん、悠太も頼りにしてるから!」

 私の腹違いの弟、悠太は今年小学校6年生になる。
 小学生にしては大きい方で、つい先日身長を超されたところだ。

「ひなの子守ならしてやってもいいけど」
 
 そう言って、私の足元から3歳になる娘のひなを抱き上げた。

「ひなちゃんなら私だっていつでも歓迎よ? ねーひなちゃん、じいじのお家にまた来てね?」
「ひな、じーじのとこ、いくー」
 
 ひなも悠太や知美さんにとても懐いている。
 シングルマザーの私にとっては、とても頼りになる存在だ。

「また遊びに行かせてもらおうね、ひな。知美さん、遅くなるときはお迎えをお願いするかも――」
「もちろんよ! いつでも電話して。こっちで預かっておくから」
「杏子、うちでも預かるわよ。知美ちゃんも兄さんの会社のことで忙しい時があるだろうし、いつでも連絡ちょうだい」
「叔母さん……」
「うちも、大輝っていう足があるからね。遠慮しないで」
「俺の車、悠太のお古のジュニアシートつけてるから。ひなの迎えもいけるぞ」
「杏子ちゃん、おじさんにも電話くれていいからね」
「大輝……おじさん……。うん、ありがとうね」
 

 父の妹夫妻と従弟の奥田大輝(おくだだいき)もいつも声をかけてくれる。
 たぶん、こんなに恵まれたシングルマザーはいないと思う。
 有り難いことだ。
< 7 / 228 >

この作品をシェア

pagetop