妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
 エルムルナ様は、私よりも年上の聖女だ。
 私と同じくらいの年に聖女になった後、出産を機に引退して、また聖女に就任することになったすごい人なのである。

 魔力というものは、大抵年齢によって衰えていくものだ。
 それなのに、この年で再度聖女に選ばれる程に、彼女は優れた才能を持つ人なのである。

「お久し振りですね、フェルーナさん。どうぞ、そちらに座ってください」
「失礼します」
「お話は、殿下から窺っています。色々と大変だったようですね……」
「はい……」

 私は、少し緊張していた。
 エルムルナ様が、私のことをどのように評価しているのか。それは、よくわかっていないことだ。
 これから、私は何を言われることになるのだろうか。少々怖い所である。

「……あなたと実際に会って、殿下の話に対する理解が深まりました。どうやら、あなたは邪悪な力を受けたようですね」
「邪悪な力?」
「フェルーナさん、あなたは闇の魔法についてご存知ですか?」
「闇の魔法……すみません、聞いたことがありません」
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