妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「でも、そんなものは誰も使わないのではありませんか? わざわざ死の危険を冒してまで、その魔法を使う必要がないと思うのですけど……」
「闇の魔法は、とても強力なものが多いのです。しかも、少ない魔力でも行使できる。その性質上、手を伸ばす人が多かったようです」
「なるほど……」

 私が思いついた疑問は、すぐに解消された。
 当然のことではあるが、優れた魔法を使うためには多大な魔力が必要である。それが少ない魔力で実行できるというなら、手を伸ばす人も少なくはないだろう。
 よく考えてみれば、ホーネリアはそこまで魔力を持っていなかった。そんな彼女が、私から魔力を奪い続けるなどという魔法を使っている時点で、その魔法の性質に気づくべきだっただろう。

「あなたの妹は、どこかでその魔法が記述された魔導書を見つけたのでしょうね……これは、大きな問題です。できることなら、その魔導書は処分したいものです」
「そうですね……もしも、それが広まってしまえば……」
「手がつけられなくなるでしょう。厄介なことに、人から魔力を奪うことができるものですから、私やあなたでもなす術がないかもしれません」
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