妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
 私は、作物に近づいてその様子を間近で観察することにした。
 作物はしおれており、すぐにでも枯れてしまいそうな様子だ。

 続いて私は、地面の様子を観察する。
 このドルマニア王国には、とある特色がある。王都にある大樹の根が、国中に広がっており、それが繁栄をもたらしているのだ。
 もしも、その大樹に異常があれば、作物に影響が出る。今回、可能性が高いのは恐らくそれだろう。

「ふむ、恐らく今回の不作は、フェルーナ嬢から、ホーネリア嬢に聖女が変わったことが今回の事件の原因であるだろう」
「そうなのですか?」
「気候や天候に問題がなく、農民達がおかしなことをしていないという前提から考えると、その可能性が高いはずだ。直近で聖女が変わって、農作物に変化があった。そこには因果関係があると考えるべきだろう」
「なるほど……」

 先日、ドルマニア王国は聖女が変わった。
 前聖女がとある罪で追放されて、彼女の妹が聖女に就任したのだ。
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