妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
 しかし、彼は聖女ホーネリアのことをかなり信頼しているらしく、私達の言葉をあまり受け入れていないようである。
 もしかしたら、それは自らの過ちを認めたくないからなのかもしれない。ホーネリア嬢を聖女としたのは、紛れもなく王族だからだ。

「根拠はあります。まず状況的な証拠から出しましょうか。今回の事件は、ホーネリア嬢が聖女に就任した後に起こったことです」
「偶然という可能性はないのか?」
「話に聞いた所、最近王都では人が魔力を失うという謎の病が流行っているそうですね。その現象は、聖女フェルーナがホーネリア嬢に対して行った魔法に似ていますね。そこに因果関係があるとは思いませんか?」
「む……」

 談判するにあたって、私達は色々な調査を行っていた。
 その結果、現在王都で奇妙な病が流行っていることがわかったのだ。
 それは、突如体から魔力がなくなるという不思議なものである。理由はよくわからないが、聖女ホーネリアはフェルーナ嬢に行った魔法を他者にも行使しているようだ。

「このまま聖女ホーネリアを起用しているのは、非常に危険です。早く対処するべきでしょう」
「対処か……」

 国王様は、かなり悩んでいる様子だった。
 自らの過ちを認めるのは、難しいことだ。しかしながら、それを認めなければ、王国は滅亡するだろう。国王様には、是非とも賢明な判断をしてもらいものである。

(トルフェニオ視点終わり)
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