妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
 アグナヴァン様の言葉に、私は頷いた。
 その頷きに対して、彼は笑みを浮かべる。これでやっと話が終結したのだ。

「……話がまとまったようで何よりです。それでは、私はこれで失礼させてもらいますね」
「……待て」

 そこで、護衛はその場を去ろうとした。
 しかし、それはアグナヴァン様に止められる。彼の語気は、少し荒い。

「お前は、自分がやったことを反省しなければならない」
「は、話がまとまったのですから、いいのではないでしょうか?」
「……今が非常事態であることを忘れたのか? 本来ならば、こんなことをしている場合ではないのだ」
「しかしですね……」
「……お前の独断という訳でもないのだろう? これに関わった者達は、今回の件が終わったら少々灸を据えなければならないな」
「……はい」

 アグナヴァン様の言葉に、護衛は弱々しく頷いた。
 こうして、私は婚約者と同じ部屋に泊まることになったのである。
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