妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「……え?」
「む? フェルーナ殿? どうかしたのか?」

 そこで、私は思わず足を止めていた。
 今まで気づいていなかった重要なことに、思い至ったからだ。
 私は、ホーネリアの瞳がとても澄んでいると思った。彼女の目を見た時に、私は何の違和感も覚えなかった。それは、おかしなことだったのである。

「アグナヴァン様、私はホーネリアから闇の魔力を感じ取れませんでした」
「……何?」
「目を見た時に、私は彼女の魔力も感じ取っていました。それも合わせて、彼女は澄んだ瞳をしていると思ったのです。でも、彼女は闇の魔法を使ったのですから、それはあり得ないことです」
「……それはつまり、どういうことだ?」
「それはわかりません。でも、もう一度彼女から話を聞く必要があるかもしれません」
「……わかった。それならば、牢屋に向かおう」
「ええ」

 私は、ホーネリアともう一度話してみることにした。
 彼女の身には、何かが起こっている。それはきっと、闇の魔力に関係していることだ。
 それがどういうことなのか、それは正直まったくわからない。だからこそ、ホーネリアから話を聞いて、色々と考えなければならないのだ。
< 90 / 118 >

この作品をシェア

pagetop