弁護士は相談料として愛を請求する

第三章 告白のとき


「すず、来たぞ!」

 凄い速さでのんが志穂の家に現れた。のんが私を心配してくれた。ほっとして顔見たら抱きついて泣いてしまった。

 志穂の前なのに、のんも私を抱きしめて背中をさすってくれた。欲しい言葉を耳元で囁いてくれた。

「もう、大丈夫だ。俺が側にいる……」

「のん……会いたかった」

「何で連絡してこないんだよ?こんなになるまでどうして……」

「すず、問題を解決しなさい。もう、巻き込むのは勘弁して。それと、望君」

「何?」

「すずが安心できるように今の関係をキチンと説明してあげて。何の為の弁護士?一番大切なすずの悩みを解決出来ない人が、他人様からお金もらって何を解決してるのかな?」

「……悪かった。迷惑かけてすまん。昨日、涼にも絞られた。もう、許してくれ」

「あらそう。涼が怒ったの?それは、大変な事態ですねえ。私の大事なすずを邪険に扱うからよ」
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