弁護士は相談料として愛を請求する
「え?」
「この子の母親は離婚してまして、私や家内がいっしょに育てているんです。ここでまた女性を捜しているのかもしれません。困った息子でね。修也を大切にしてくれる人が一番だと言っているんだが……」
修也君はママがいなかったのか。可哀想に。私の手を握って離さなかったのはそういうことか。今も反対の手を握って離さない。
「失礼、どちらかのお連れ様かな?初めてお目に掛かったような気がするんですが……」
「あ、はい。私は初めてです。創業家の堂本遙さんの弟さんの幼馴染で……」
「それは、それは……最近、噂の弁護士君だね。彼は奪い合いになってるよ」
「確かにそうですね」
私がいなくなって、また女性を紹介され始めている。すると横から遙さんとご主人の匠さんが現れた。
「宝田社長。ご挨拶が遅くなりました。先ほど、息子さんにはご挨拶しましたが……息子さんに社長職を譲られるんですか?」