神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜
第3章
…と、まぁこんな風に、一匹の猫のお陰で、学院の中はゆるりとした空気が広まっている。

これは俺達教師にとって良いことだ。

何せ、ここ最近…いろりが来るまで、学院の中は不穏な空気が漂っていたからな。

忘れてはいけない。

ついこの間まで、我がイーニシュフェルト魔導学院では、生徒の間で幽霊騒ぎが持ち上がっていた。

今はいろりの話題で持ちきりのようで、幽霊騒ぎはすっかり忘れられているが…。

教師にとっては、生徒が物騒な噂を忘れ、新たな学院のマスコットに夢中になってくれるのは有り難い。

恐怖ってのは他人に伝播するからな。早く忘れてくれるなら、それに越したことはない。

しかし、俺達教師は忘れてはならない。






しばらく前に、イーニシュフェルト魔導学院にやって来た、死体を操るネクロマンサー…ルディシア・ウルリーケと、彼にまつわる一件のことを。
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