再び異世界?!─平凡聖女の育てた少年が、年上魔公爵になって貫く健気過ぎる激重純愛♡─
魔王さえ死ねば、聖女はただの人間だ。
聖女は魔王にとっての天敵なだけで、他の人間にとって害はない。
上階の柵の上に立ったビンビンをマオが睨んだ。セーラの腰を抱き直したマオの瞳に、ゆらりと金色の炎が灯る。
召喚士の役目は魔王を拘束、自由を奪い、磔にすること。
魔王の命を絶つことは聖女の手による楔にしかできない。
だが、ビンビンはそれを一人でやってのけると決めた。もう、誰も頼れない。
(聖女様、口紅がしっかり剥げてますよ。キスって、気持ちいいですよね)
ビンビンが上階から飛び降りると、召喚士の杖の先が光った。光に包まれた一瞬に、セーラは風に吹かれたように体がよろめき、眩しい光に目がくらんだ。
(何?!光が)