冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
キョロキョロと首を左右に振る。帰宅時間の日比谷にはあまりにも人が多く、視線の主を特定するのは難しいかと諦めかけた。が、ある人物のところで蛍の目はぴたりと止まった。黒い服に黒いキャップ。ゆうべマンションの下にいた人物が即座に思い出された。
(まさか同じ人?)
さらに恐ろしい情報が蛍の視界に入ってくる。黒いキャップからかすかにのぞく前髪は派手な赤色。それを認識した瞬間、ゾッと背筋が凍った。
京都で会ったカップルの男とマンションの下にいた人物は同じ? もしそうなら、結構な執念深さで蛍を追いかけているということになる。
(確かめよう)
そう考えて足を速めた。彼がついてくるようなら、恐ろしい予想は当たりということになる。京都であの彼がしたようにできるだけ人の多いところへ向かった。いくつかの人混みを抜け、こわごわと後ろを振り返る。そして絶望に言葉を失った。
(嘘でしょう)
なに食わぬ顔をして、つかず離れずの距離に男はいた。ここでようやく晋也に助けを求めることを思いついて、蛍は震える手でバッグのなかを探る。焦りのせいかスマホがなかなか見つからない。
「悪い! 待たせたな」
(まさか同じ人?)
さらに恐ろしい情報が蛍の視界に入ってくる。黒いキャップからかすかにのぞく前髪は派手な赤色。それを認識した瞬間、ゾッと背筋が凍った。
京都で会ったカップルの男とマンションの下にいた人物は同じ? もしそうなら、結構な執念深さで蛍を追いかけているということになる。
(確かめよう)
そう考えて足を速めた。彼がついてくるようなら、恐ろしい予想は当たりということになる。京都であの彼がしたようにできるだけ人の多いところへ向かった。いくつかの人混みを抜け、こわごわと後ろを振り返る。そして絶望に言葉を失った。
(嘘でしょう)
なに食わぬ顔をして、つかず離れずの距離に男はいた。ここでようやく晋也に助けを求めることを思いついて、蛍は震える手でバッグのなかを探る。焦りのせいかスマホがなかなか見つからない。
「悪い! 待たせたな」