冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
できるだけセキュリティのしっかりしたところという理由で、外資系ホテルのラウンジでふたりは昼食をとった。
「たしかに。赤髪の男もあれ以来見かけませんね」
さりげなく周囲をうかがいながら蛍は左京に言う。左京と晋也と三人で会った日を最後に、赤髪の男らしき人物は見ていない。
「あぁ、だが油断はするな。ひとりのときは特に気をつけてくれ」
真剣な顔でうなずいたが、このところ完全にひとりになる瞬間はトイレくらいのものだった。
食後のコーヒーが運ばれてきたところで、左京はテーブルの上にチケットを置いた。
「このあとは、これを見ようかと思うんだが」
チケットに目を向けた蛍の顔がほころぶ。
「よかった。お気に召したようだな」
「さ、最高です!」
恭しくチケットを持ちあげる蛍の両手は、興奮でかすかに震えた。
アメリカのバレエ団の公演チケットだ。蛍の好きなバレエ団のひとつで、今回の東京公演も観たいと思っていたのだが、赤霧会のことなどがあって諦めていた。
「直前だからいい席は取れなかったが、それは許してくれ」
「バレエはどの席からでも違った楽しみ方がありますから」
「たしかに。赤髪の男もあれ以来見かけませんね」
さりげなく周囲をうかがいながら蛍は左京に言う。左京と晋也と三人で会った日を最後に、赤髪の男らしき人物は見ていない。
「あぁ、だが油断はするな。ひとりのときは特に気をつけてくれ」
真剣な顔でうなずいたが、このところ完全にひとりになる瞬間はトイレくらいのものだった。
食後のコーヒーが運ばれてきたところで、左京はテーブルの上にチケットを置いた。
「このあとは、これを見ようかと思うんだが」
チケットに目を向けた蛍の顔がほころぶ。
「よかった。お気に召したようだな」
「さ、最高です!」
恭しくチケットを持ちあげる蛍の両手は、興奮でかすかに震えた。
アメリカのバレエ団の公演チケットだ。蛍の好きなバレエ団のひとつで、今回の東京公演も観たいと思っていたのだが、赤霧会のことなどがあって諦めていた。
「直前だからいい席は取れなかったが、それは許してくれ」
「バレエはどの席からでも違った楽しみ方がありますから」