冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
 島の所属は組織犯罪対策本部暴力団対策課。かつては四課と呼ばれており、ヤクザに負けない強面揃いで知られていた。

 今でも圧倒的に武闘派が多く、島みたいなタイプは例外だ。

 警察も赤霧会のことはずっとマークしている。はっきり言ってしまえば壊滅に追い込みたい組織のひとつだ。

 蛍の夫として自分の名があがったのは海堂家と菅井家の縁もあるが、左京が赤霧会を取り巻く事情に詳しいからという理由もあったはず。

「なにか見つかったか?」

 島は左京に資料を渡しつつ、説明してくれる。

「菅井さんはご存知でしょうけど、かつて赤霧会は関東では大きな組織でした。その頃、海堂実光(さねみつ)とは多少の付き合いがあったようですね」

 海堂実光は治郎の妻である芙由美(ふゆみ)の父親で、今の政界でも最大勢力である海堂派を築いた人物だ。治郎は海堂家に婿入りすることで現在の地位を得たようなもの。

「まぁ、当時は今とは事情が異なるからな」
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