冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
 左京は店員に声をかけ、カツカレーをふたつ注文した。左京はあまり食にこだわりがないので、誰かと一緒のときは相手と同じものを頼むことが多い。

(脳にかかる負荷の削減にもなるしな)

 本当にあっという間にテーブルの上にカレーがふたつ運ばれてくる。

 左京は食べながら話そうと島を促した。

「赤霧会の件……その後どうだ?」

 一応声をひそめたが、店はガヤガヤと騒がしく誰かに話を聞かれる心配はいらないだろう。こういう店は意外と密談に向いている。内緒の話をしているなどと誰も思わないからだ。

 心得ているという顔で島はうなずいた。軽い男だが仕事はできる。キャリアでない彼が三十代前半で警視庁の刑事になっているのは優秀な実績あってこそだ。

「海堂治郎以外にも違法賭博規制強硬派の人間が数名、赤霧会が犯人かと思われる嫌がらせを受けていますね。なので、やはり動機はここにあるのかなと」

「まぁ、そうだな。赤霧会にとっては死活問題だろうし」

 赤霧会のシノギはこの違法賭博が中心だ。

「一応、赤霧会と海堂家にほかに繋がりがないかも洗ってはいます。具体的に言うと、赤霧会が海堂治郎個人を恨む理由がないかってことですね」
< 94 / 219 >

この作品をシェア

pagetop