花言葉〜青い春〜


ご飯を食べている間、会話が途切れることはなかった。


成海が話を振るのが上手いのもあったが、菫は成海になら思ったことを遠慮なく言いやすいのもあった。


「ねえ、今日、サッカー部の部室のところにいたけど、成海はサッカー部じゃないんだよね?」

「違うよ。俺、写真部だもん。」

「写真部!?」


意外。と言うか、けっこう長身だし、体格も整っているのだから、運動部に入ればいいのに。


「運動部から勧誘なかったの?」

「あー、あったけどお断りした。バイトもしたかったし、それに運動部は疲れるじゃん。遊ぶ時間も減るしね。」

「信じられない……チャラチャラしてる暇があったら、入部したらいいのに。」


菫の記憶が正しければ、確か写真部は週に1回ぐらいしか活動がなかった。


菫たちの学校は、今時珍しく部活動は全員入部することが義務付けられていた。どうしても時間が裂けないなら、活動の少ない文化部でいいから入るようにと。
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