フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
本当に懲らしめたんだ、柊先輩。


やっぱり、怖い人は怖いんだな…。


先輩の言いように、あはは…と心の中で苦笑していると。


「今のままの彩でもじゅーぶん可愛い。


けど、せっかく頑張ったもんね?


俺からご褒美あげなくちゃ」


先輩にクイッと顎を上げられて、気づけば先輩と目が合った。


これから何をするのか分からず、頭がはてなマークで埋め尽くされていると。


そんな私にお構いなしで、静かに唇を落としてきた先輩。


それが何かと認識するまで、10秒くらいかかって、気づいた時は。


「はわ、ここ公共の場ですよ…!?」


音楽の授業でも、怜実たちと話す時でも、出したことがない高い声が出た。


そんな私に、先輩はまた声を上げて笑った。


そして、笑い声が収まった時は。


「いいよ。むしろ、悪い虫への牽制だから」


「?」


ちょっと意地悪に、でも、それ以上に真剣な言葉を言い放った。


先輩の言葉に首を傾げると。


「ずっとこの先も俺から離れないで」


永遠を誓うかのような、普段の先輩では考えれないことを口にして来た。


「離れませんよ!私がどれだけ櫂先輩のこと好きか…!!」


それが、真剣なものであることを分かった私は、


同じように、言葉を返す。


「知ってる。けど、俺も負けられないくらい彩のこと大好きだから、


ちゃんと知っててね」


街に彩るイルミネーションの灯りの中で、私たちは微笑み合った。




End.
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