狼少女と、溺愛男子



***



琉架くんに、
連れて来られたのは、使われていない空き教室。



「............あの噂、流したの琉架くん?」



教室に入るなり、
最初に言葉を発したのは私で。



「いや、俺じゃない。
あらかた、誰かが面白おかしく流したんだろ」



私の言葉に、
サラッと否定して、推測を言葉にする琉架くん。



でも...........................



「まぁ、俺には好都合だよ」



追加で言葉を発する琉架くん。



「.........こ、好都合って、」



〝どういう意味?〟そう聞く前に............



「俺が聖里を、昔から溺愛してること、
周りにアピール出来るから好都合」



そう言って、
私の目を真っ直ぐ見てくる琉架くん。


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