野いちご学園 逆ハーアイドル寮
突然現れた学園の王子様たちに、私はストレートの髪を振り乱しちゃうほど動揺しているんだけど。
さすがは学園のマドンナ。
稲森さんは全く動じていない。
余裕の美人スマイルを浮かべていて。
稲森さんは絢人先生を腕で押しのけ生物準備室から出ると、王子様たちに向かってお嬢様っぽく手を振った。
「私、特進科2年の稲森麗です。アイドル選手権の紹介MCを私にやらせてもらえませんか?」
彼女はまるで、大人気女子アナのよう。
清楚さと堂々とした立ち居振る舞いで、まっすぐに総長様を見つめている。
普通の男子ならハートを矢で射抜かれ、即胸キュン。
『MCは学園のマドンナのキミしかいない。よろしく頼む』と、即決しそうだけど……