月明かりタンゴ〜罪の恋〜

Dream

12時30分。この時間は、恋愛の時間だ。

ダメだと知ってたのに。あの人は、美しすぎて止められなかった。

後悔してた時はまた甘く口づけをしてた。月の光が部屋にあった鏡に映っていた。

少しずつ、少しずつ。乱れてた姿を見つめてた。

「見ろ、可奈ちゃん。」

今、浮気してる。愛し合ってる彼はお姉さんの旦那さんだよ。

なんで、こんなに恋してるのかな。かっこいいけどそれだけのはずだよ。

高校生の時から彼に片思いしてた。お姉さんの彼氏で、10歳年上だから叶わないと思ったけど今は…こんなに抱き合えてる。

バレたら、絶対死にそう。

なのに、鏡の前で熱さの中で踊ってる。

「愛してる…愛してるよ…可奈ちゃん」
「お兄さん大好き…」

嘘だと知ってる。好きなお兄さんは、私を愛してないと知ってるよ。お姉さんは家にいないから、今は私と抱き合ってる。でもこの時間は何も考えることはない。そして、二人も本当の愛じゃないの知ってるくせにどんどん熱くなってる。

その一瞬間だけは、天からの幸福みたいな気持ちだったけど…やっぱり…

夜の罪悪感でため息をついた。

それで、私は自分の部屋に戻った。

愛されないはずなんだから。

朝が来たらお姉さんのベッドで起きたら死ぬ。

許されないことしてたから。

***


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