極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない
「樹くん? どうかした?」


ひとり過去を反芻していると、芽衣が俺の顔を覗き込んできた。


教会での式を滞りなく終え、これから同じ敷地内のガーデンスペースで写真撮影をすることになっている。
両家の家族は、俺たちの前を歩いていた。


「樹くん? 聞いてる?」


大きな瞳で真っ直ぐ見つめてくるのは、昔から変わらない。


けれど、幼かったあの頃からは想像できなかったほど、美しくなったと思う。
もうずっと俺の心を捕らえて離さない彼女は、これからも俺を夢中にさせ続けるのだろう。


「ああ、ちゃんと聞いてる」

「もしかして疲れちゃった? イギリスから戻ったばかりだもんね」

「いや、そうじゃない。芽衣に見惚れてただけだよ」


本音で真実を隠せば、芽衣が困ったようにはにかむ。
面映ゆそうな表情があまりにも可愛くて、つい我慢できずに唇を奪った。

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