極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない
「そういえば、この間ロイヤルカフェに行ってみたよ。芽衣はいなかったけど」

「そうなの? 休憩中だったのかな。あっ、バックヤードにいたのかも」

「ランチをしに行ったから、三十分近くいたんだけどな」

「じゃあ、休憩中だったのかも。私、羽田に異動になってからはカウンターに立つことの方が多くて、バックヤードにいる時間はだいたい短いから」

「そうか。なら、また近いうちに行ってみるよ。せっかく芽衣が羽田で働いてるのに、まだ一度も会えてないし」


樹くんの言う通り、私たちが空港内で鉢合わせたことはない。
パイロット制服を着た人やCA、グランドスタッフは毎日のように目にしているし、航空会社のスタッフが店に訪れることだってある。


だから、彼ともわりと会えるんじゃないかと思っていたけれど、その予想は外れた。
もっとも、まだ羽田空港店に配属されて十日ほどだから仕方ないのだけれど……。

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