初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい
「ミッチー! あなたの愛する新妻ステファニーですわよー!!」
声とともに、扉から私に向かって突撃してきた彼女は、間違いなく私の妻であった。
(ぶ、ぶれない! 私の妻、本当にぶれない!)
初夜(リテイク)に当たって緊張していると思いきや、変わらず私に突撃し、その勢いのままベッドに雪崩こむ姿は、まさにステファニー。私を「ミッチー」と呼んでくれる、元気で可愛い妻であった。
「愛してるわ、ミッチー!」
「……本当に?」
「ええええ、ちょっとミッチー! そんな不安そうな瞳で見上げてくるなんて、卑怯ですわ! この誘い受け男! 大好き!」
私を何故か罵倒してくるステファニーは、私を押し倒したまま一人で悶えている。
その姿は、やはり女神のように美しかった。絹糸のような金色の髪も、琥珀色の潤んだ瞳も、全部全部、私のものだ。
「ミッチー。そろそろ素直になって、わたくしのこと愛してるって言っていいのよ?」
初夜をやり直すかのように、悪戯めいた顔でそんなことを聞いてくる私の宝石。
彼女がおねだりしてくるのであれば、やはり私はこう答えるべきだろう。
「愛してるよ、ステファニー。私の心は、君だけのものだ」
その言葉を聞いた後、しばらくステファニーは「ミッチーったら女たらしね!」「リップサービスが過ぎますわ!」と散々照れていたけれども、そのうちにぽろぽろと涙をこぼし始めてしまった。