初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい


「ステファニー。入るぞ!」


 廊下の侍女達を追い払い、私はそう言って彼女の部屋のドアノブに手をかける。

 しかし、開かなかった。
 どうやら鍵をかけているらしい。

「おい、ステフ。ドアを開けろよ」

 いつもの調子で、私は彼女に話しかける。

 すると、ドアの表面に、紫色に光る魔力で文字が描かれ始めた。

『申し訳ございません。扉を開けることはできません』

 なんだ、なんなんだ。
 会話のために声すら出さない気なのか?

「ステフ、言っとくけどな、鏡文字で読めないからな!」

 ガタガタ、と部屋の中から音がしたと思うと、今度は私から見て正しい向きの文字で、『申し訳ございません。扉を開けることはできません』と書かれた。
 器用なことだな!?

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