初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい


「うわぁあ!? な、何をするんだ!」
「オーダーどおり、分かりやすく説明するだけですが」

 鞭でがんじがらめで動けない私は、ベッドの上で、皿の上のチーズになった気持ちで震える。

 すると、ネズミ……じゃない、ステファニーが赤い舌でペロリと自分の唇を舐めながら、スーッと私の首筋をひと撫でした。

 ぞくぞくとした感覚に、私は「ひっ」と声を上げる。

「ほら、こういうの、お好きでしょう?」
「はあっ!? なっ、なにをっ、いや、ええ!?」
「ふふ、悦びでお顔が真っ赤ですわよ」

 ステファニーはうっとりと私を見つめながら、妖艶に笑んでいる。
 何を言い出すんだ、わ、私は断じて悦んでなんか……!!

 私が口をハクハクさせて何もいえないでいると、彼女は今度は、寂しそうな切なそうな顔をして、私を見つめた。

「わたくし、マイケル卿がつれない事を言うのは、こういうプレイだと思っていましたの」
「プレイ」

 なんだ、今日はやけに天気がいいな……。

 ハッ、駄目だ。
 脳がストレスから思考を逸らし始めている。

「こんなふうに、誰かに縛られて、動けないくらいがんじがらめにされて」

 彼女が、ふう、と耳元に息を吹きかける。

「や、やめ……」
「美味しく調理されるのが、お好きでしょう?」

 細くて柔らかい指の腹で、ふにふにと唇を弄ばれて、私は悔しさから涙目で彼女を睨みつける。
 彼女はそんな私を見て、愉しそうに微笑んでいたけれども、そのうち目を伏せてしまった。

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