初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい
「若旦那様、今日のご予定は?」
「……」
「終日、本邸への訪問ですね。承知いたしました」
何も言っていないのに、予定が決められてしまった。
まあいい、私だって朝食を摂ったらステファニーに会いに行こうと思っていたんだ。
本当に、気の利く執事だ!
「それで、若旦那様。若奥様への謝罪は上手くいったのですか」
「……」
上手くいっていたら、ステファニーは今ここに居るよ。
本当に、気の利かない執事だ!
「何をすれば良いか、分かっていますね?」
「……花束を買っていく」
「それは良いことです。手配いたしましょうか」
「……いや、自分で選ぶから、いい」
私のその言葉を聞いて、老執事はにっこりと微笑んだ。
「それはよかった。我々に適当に選ばせるようでは、男としてお終いですからね」
執事の言葉に、メイド長や他の侍従侍女達もにっこり微笑んでいる。
どうやら私は踏み絵を踏まされていたようだ。
勘弁してくれ……。