初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい
そこからは、よく覚えていない。
気がついたら、別邸に帰宅していた。
そして、執事とメイド長を向かいのソファに座らせて、どうやったらステファニーが帰ってくるのか、縋るように問い詰めていた。
「いやぁ、あの坊ちゃんがここまで愛に狂うとは、若奥様もやりますなぁ」
「本当に。若奥様はいつも坊ちゃま……いえ、若旦那様を甘やかしすぎだったのですわ。若旦那様にはこれぐらい冷たいくらいがちょうどいいんでしょうね」
「私もそう思います。そうそう、若奥様と若旦那様が初めてお会いになった時も……」
「覚えていますわ! 二人ともお可愛らしくて……」
「あの時も坊ちゃんはステファニーお嬢様に泣かされて……」
「そうそう、坊っちゃまときたら、口では嫌がっていらっしゃいましたのに、数日間ずっとステファニーお嬢様の話ばかりで……」
必死の形相の私に、二人は完全に孫を見るお爺ちゃんお婆ちゃん目線の言葉を延々投げつけてくる。