初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい
「全く、お前に夢中だったあのステファニーさんを怒らせるとは、お前は一体何をしたんだ」
「ステファニーを名前で呼ぶな!」
「クラスメートは全員彼女を名前で呼んでいただろうに。お前、本格的に拗らせてるんだな」
確かにステファニーは、「卒業したらすぐにマイケルと結婚するから、分かりやすいように名前で呼んでくださいまし」と意気揚々とクラスメート達に語っていた。「そ、そ、そんなことを公言するな!」と慌てる私に、「婚約者なのに照れてるミッチーも可愛いですわー!」とステファニーが抱きついたものだから、クラスメート達は生暖かい眼差しで私達を見ていたな……。
「女性への対応だったか? 私の家は男世帯だから、そういう相談は向かないと思うぞ。妹さん達に聞いた方がいいんじゃないか。……その、マリアリーゼさんとか」
「そのマリアリーゼにも聞いたが、教えてくれないんだよ。ああそういえばミリアの奴が、『マリアは騎士っぽい武骨で不器用な男性からちょっと照れながら誘われるのが好き』とか言っていたな」
ドンガラガッシャーン!!
耳元から大音量の物音が聞こえて、私はキンキンする耳を抑えながら慌てる。
「どうしたバーナード! 何かあったのか!?」
「……い、いや、少し椅子から転げ落ちただけだ」
「運動神経の塊のお前が? 一体何をしているんだ」
「いや、その。……他にマリアリーゼさんは何か言っていたか」
「マリア? いや、それ以上は何も教えてくれなかったんだよな。ケチ臭いやつだ」
「マリアさんをケチ臭いとか言うな!」
「マリアさん!?」
急になんなんだよ、もう。