初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい


「それで今度は、俺のところに遠距離通話(テレフォン)してきたのか」


 呆れたような声でそう返してきたのは、セイントルキア学園時代の同級生のリシャール=リバーフィールド。リバーフィールド伯爵家の長男だ。
 私達の結婚式には参列してくれていたが、うちの領地とワインの産地で有名なリバーフィールド伯爵領は接していて、片道5日程度なので、そろそろ領主邸についていると思っていたんだ。よかったよかった。

「大体、結婚して6日で喧嘩とか何をやってるんだよ」

 結婚したその夜からとは口が裂けても言えないな……。

「うちの領内は、男も女ものんびりしているからなぁ。あんまり参考にならないと思うぞ」
「そこをなんとか。実はな、うちの妹がこう言ってたんだよ」
「!? ミリアリーゼさんが何か!?」
「ん? ミリア? 違うぞ、マリアがだな」
「……ああ、マリアリーゼさん。マリアリーゼさんね」
「マリアが、『ミリアは朗らかで落ち着くタイプの男性が良いワインが出来たって笑顔で話しかけてくるのが好きだ』と言っていたから――」

 ドンガラガラガッシャーン!!!

「ど、どうした! 何があった!?」
「ちょ、ちょっと椅子から落ちただけだ、気にするな」
「気にするわ! 何をやってるんだ、全く……」
「それで、ミリアさんについて、他に何か情報はあるのか?」
「いや、それ以上は教えてくれなかったんだよ。本当にケチ臭い妹達だろう?」
「ミリアさんをケチ臭いとか言うな!」
「もう一体なんなんだよ!」

 何故私の友人達は妹の肩ばかり持つのだ?

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