初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい


 わたくしが闇魔法を駆使して早馬のような速さで走り、街に繰り出したところ、ミッチーはあっという間に見つかりました。


 ミッチーは領主一族用の馬車でやってきているので、街行く人々も「領主様がきたぞ」「いや、お若いから次期侯爵様じゃないか?」と噂をしており、見つからない方が不思議なくらいだったのです。

 何やらミッチーは、衣類店のようなお店に入って、物を選んでいるようです。いえ、あれはどちらかというと、衣類というより寝具……?

(いえ、問題はそこではありませんわ)

 そう、わたくしは今、嫉妬で燃えたぎった瞳でギンギンにミッチーを見つめていました。

 なんと、ミッチーの接客をしている店員が、若い女性なのです。
 しかも、わたくしと違って、黒髪の落ち着いた雰囲気の女性です。
 ミッチーは、いつも金髪赤ルージュの派手キャピかわいいわたくしと一緒にいるので、暗めの髪色、桜色のルージュの清楚かわいい女性に憧れを抱いているのを、わたくし知っているのです……。

(あんなに楽しそうな顔をして……何を話していますのぉ……ッ!)

 ミッチーのいる店の向かいのオープンカフェのテーブルに座り、3枚目のハンカチを噛みちぎってしまったわたくしは、4枚目のハンカチを取り出します。

 ふと、店内でミッチーが微笑みました。
 その照れたような自然な笑顔は、若い女性店員に向けられています。

 ……わたくしもここ1ヶ月以上見ていない、自然体の笑顔です……。

「……」

 ぽろりと、握っていたハンカチがテーブルの上に落ちます。
 胸がズキズキと痛んで、締め付けられるようです。

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