初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい
「おい、暴れ出したぞ!」
「大人しくしろ! 痛い目にあいたいのか」
「当て身でも食らわせろ! 静かにさせるんだ」
わたくしは殴られる覚悟で、渾身の力で暴れ回りますが、どんどん路地の奥に引き摺られていってしまいます。
この路地裏を曲がったら、きっと誰にも気づかれることなく、逃げることは叶わないでしょう。
(お願い、誰か……!)
「この……ッ!」
「――!」
男の一人が拳を振り上げたのが見えて、わたくしは思わず目を瞑りました。
けれども、待てどもくらせども、痛みはやってきません。
「……?」
恐る恐る目を開けると、男が振り上げた手を掴んで離さない人物がいました。
「彼女に何をしている?」
怒りに震えるそのバリトンボイスの主を、わたくしは誰よりもよく知っています。
(えーーーーっ!?)
そこにいたのは、マイケル=マクマホン。
なんと、私の王子様が助けに来てくれたのです!!