初夜で妻に「君を愛することはない」と言った私は、どうやら妻のことをめちゃくちゃ愛していたらしい


「彼女に何をしている?」



 怒りに震えるそのバリトンボイスに、わたくしは驚きにつぐ驚きで体が震えるのを感じます。

 なんとミッチーが、男に羽交い締めにされたまま路地裏に引き込まれそうになっているわたくしを助けにきてくれたのです!

(えええーーーー!? どうしてここに!? 素敵! 格好良い! 最高! マイスイートハニー! 好きぃいい!)

 混乱の中、頭を駆け巡るのはそんな言葉ばかりです。
 わたくしはもう、ミッチーに抱きついてちゅっちゅしたくて、わたくしの口を押さえて羽交い締めにしている男が邪魔で邪魔で仕方がありません。

「なっ、何なんだお前は!」
「いいから手を離せ」
「お前に関係ないだろうが!」
「関係ある。彼女は私の妻だ」

(えええええーー!? しかもわたくしがステファニーだってバレてますの!? なんでぇええ!?)

 混乱ここに極まれりなわたくしを置いて、男達とミッチーが睨み合っています。

「よくもそんな出鱈目を……お前の妻だったら一人で出歩いてるはずないだろうが!」
「そのはずなんだが、何事も想定外のことはある」
「くそッ、舐めてんのか! こっちには人質がいるんだぞ!」
「さて、それはどうだろうか」

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