ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
真実、その深い沼/その4
アキラ



翌日の午後、ケイコ子ちゃんとオレは駅前の銀行に来ていた

剣崎さんから預かっていたケイコちゃんへの”今回分”を、彼女の口座に入金するためだ

彼女は受け取るのを躊躇ったが…

まあ、きれいなお金じゃないし、渡す方のオレもスッキリはしない

でも…、これからのオレ達を考えるとね…

現実的に割り切るとこは割り切らないとって

「アキラ、終わったよ」

彼女は笑顔だったが、なにか、ピュアなこの子の大事な部分を汚したような気も否めなかったよ

こういうことも含め、これからのオレ達、毎日が戦いだ…


...



「うん。じゃあ、どこ行こうか?」

「中央公園に行きたいな。天気もいいし」

「よし、今日は青空の下で話をするか…」

さっそくバイクにケイコちゃんを乗せ、ここからはほんの5分程度の中央公園に向かった


...



キーン、キーン…

ブランコに立ち乗りのケイコちゃんは、思いっきり空を蹴り上げていた

彼女、小さい頃からブランコの立ち乗りが好きだったらしい

ブランコをこいでいる彼女の長い脚が見せる筋肉の動き

それは、体全部を指揮してるかのような躍動感を発していた…

カモシカのように、細くとも張りのあるしなやかな肉感

なんてまぶしいんだ、この子の足…


...



「あはは、気持ちよかった。久しぶりにスカッとしたよ。アキラもやってみたら?」

「オレ、小さい時、ブランコから落ちたことあって。立ち乗りはNGだなあ」

ケイコちゃんはクスクス笑いながら、額の汗を拭いてる

その後、公園内を散歩しながら話をすることにした

手をつないで


...



ケイコちゃんのお父さんは昨日、日本に帰国したそうだ

殴られたりとか、怒鳴られたとかはなかったそうだが、やはり相当堪えていた様子だったって

そんなお父さんを前にして、ケイコちゃんも辛かっただろう

やはりご両親としては、高校卒業の資格取得を第一に考えているそうだ

学校の先生とか教育委員会に相談して、お父さんが日本滞在中に方針を決めるらしい

「アキラとのことは、タイミング見て切り出すつもりなんだけど、どこまで話すかは状況次第で変わってくると思うんだ。ただ、漠然と付き合ってる人がいるってことじゃ意味ないから、隠さずに”肝心”なことは言おうと思う。それで、承知しておいてもらえる?」

「うん。だけど、相手に会わせろとかってことになれば、オレも逃げずにすぐ飛んでくから」

「ありがとう、アキラ。でも場合によっては、即家を出ることになるかもしれないからさ…。その時はね…」

「それも承知してるよ。頑張って。大変だろうけど、オレはいつもキミと一緒のつもりでいる」

ケイコちゃんは力強く首を縦に振った

さあ、ここらでそろそろ話そう…


...


二人は芝生の真ん中で、腰を下ろした

そしてポケットから昨日届いた例のコピーを取り出した

「これ、読んでみて。とりあえず」

そう言って、記事のコピーを彼女に手渡した

「アキラ!何、これ…?」

記事を読んだ後、彼女の第一声…

それは妙にリズミカルに聞こえたよ

なぜか…






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