ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
真実、その深い沼/その9
追川



香月アキラとは40分ほど電話で話した

お人良しを絵にかいたような青年だが、今日は自分らの情報は一切伏せて、こっちの見解をと言ってきやがった(苦笑)

大切な彼女を守らなきゃって、必死なんだろう

俺もその気持ちに応え、熱弁をふるったさ


...



電話で彼と話した様子で、気が付いたことが何点かある

最もすべて俺のカンによるものだが…

第一に、彼らが直接やり取りしていた相和会サイドは、相当上の人物だ

おそらく、死んだ相馬の本家付きだった剣崎満也じゃないかな

今の3代目体制では実質ナンバー2だ

もしそうならば、今日の香月と横田競子の俺への出方、なかなかしたたかだぞ

さすがに背後の動き、すなわち広域組織の思惑までは思いが至らなかったようだが、相馬豹一なき相和会を妄信していなかったのは、なんか感動したな(苦笑)

あの二人、本当に手を携えあって、泥の河を渡ってるよ


...


そして、何よりも気になったことがある

彼らは確かに相和会の目を恐れている

剣崎からはマスコミとは絶対に接触するなと、ビシッと釘を刺されているはずだし

だから、俺には何も言えない

自分たちの生死にかかわることだからな

だが今日、彼と話してて、それ以上に恐れている存在がいる

そう感じたんだ…

そして、その存在とは…

おそらく、本郷麻衣なんだろう


...



この少女を詳しく調べる前に、俺はこのネタから切れた

この麻衣という、相馬豹一と血縁関係といわれた少女の深い部分を俺が知り得た時、驚愕の立体パノラマが目の前に現れるかもしれない

この商売を長く続けてきた俺にとっては、ぜひ、”そこ”へ辿り着きたいが…

無論、記事にするつもりなどない

あくまで、俺個人として”真実”を見届けたいということさ

とは言え、香月アキラと横田競子に無理強いはできない

だが、底なし沼に沈みかかっている”真実”を、あの二人がその純粋な手で、いずれすくい上げてくれるという気もする

それを待つ

そして、俺は”その時”のため、さらなる備えを試みよう






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