筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
「なにか食べたいものある?」
理一郎さんにディナーの希望を聞かれる。デートって言ったらきっとオシャレなレストラン。彼とのいつもの食事だってだいたいそういうお店。
だけど、本当はそういうお店はもう行き飽きてる。
「……たまにはラーメン、とか」
私の言葉に理一郎さんは「あはは」と笑う。
「まさかラーメン屋じゃないよね?」
「いえ、まさかそんな。中華とかもいいなって」
ええ、御曹司からしたら〝まさか〟なのよね。御令嬢にとってもまさかですもの。お嬢様らしい笑顔で返す。
一年前に再会してひと月くらい経った頃、筒井くんがラーメン屋さんに連れて行ってくれた。
***
『こんな近所に有名店があるのに来たことないなんて』
『なによその言い方〜』
人生で初めて座ったラーメン屋さんのカウンター席で筒井くんに哀れまれた。目の前の小引き出しにヘアゴムなんかも用意されてておもしろい。
『まあ、女性一人でラーメン屋ってハードルが高いとは言うけどね』
『そうなの? 私、ラーメン屋さん自体が初めてだからよくわからない』
『マジか……小夜ちゃんて本当に箱入りのお嬢様なんだ』
嫌味なのか感心なのかよくわからないけど、フツーの女子をしてたつもりがそうでもなかったんだなって思い知らされた。
小学校からエスカレーター式のお嬢様校だったから、学校帰りにどこかに立ち寄るなんて経験もない。
『そうよ。お嬢様はラーメン屋さんに行ったらいけないの』
『それをラーメン屋のカウンターで言わないで欲しいけど』
筒井くんは苦笑いしてた。
理一郎さんにディナーの希望を聞かれる。デートって言ったらきっとオシャレなレストラン。彼とのいつもの食事だってだいたいそういうお店。
だけど、本当はそういうお店はもう行き飽きてる。
「……たまにはラーメン、とか」
私の言葉に理一郎さんは「あはは」と笑う。
「まさかラーメン屋じゃないよね?」
「いえ、まさかそんな。中華とかもいいなって」
ええ、御曹司からしたら〝まさか〟なのよね。御令嬢にとってもまさかですもの。お嬢様らしい笑顔で返す。
一年前に再会してひと月くらい経った頃、筒井くんがラーメン屋さんに連れて行ってくれた。
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『こんな近所に有名店があるのに来たことないなんて』
『なによその言い方〜』
人生で初めて座ったラーメン屋さんのカウンター席で筒井くんに哀れまれた。目の前の小引き出しにヘアゴムなんかも用意されてておもしろい。
『まあ、女性一人でラーメン屋ってハードルが高いとは言うけどね』
『そうなの? 私、ラーメン屋さん自体が初めてだからよくわからない』
『マジか……小夜ちゃんて本当に箱入りのお嬢様なんだ』
嫌味なのか感心なのかよくわからないけど、フツーの女子をしてたつもりがそうでもなかったんだなって思い知らされた。
小学校からエスカレーター式のお嬢様校だったから、学校帰りにどこかに立ち寄るなんて経験もない。
『そうよ。お嬢様はラーメン屋さんに行ったらいけないの』
『それをラーメン屋のカウンターで言わないで欲しいけど』
筒井くんは苦笑いしてた。