筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
「なかなか帰ってこないから出直そうかなって思ってたときに酔っ払った小夜ちゃんに会えて」
そんなこと、何も知らずに珍しく飲み会に行ってたから。
「今は仕事してないって言ったら無職の貧乏人だって思われて、家に連れ込まれた」
「変な言い方しないで」
まるで私が危ない人間みたいじゃない。
「本当は、結婚するまで手は出さないつもりだったんだけど、酔っ払いの小夜ちゃんと話してたら……」

『結婚の条件に〝処女であること〟なんてないから。嫌いじゃなかった大学の講師の人と、なんとなくそういう雰囲気になったときにしちゃおうと思ったんだけど……怖くなって泣いちゃって』

「なんてゾッとするようなこと言うから。行きずりのどうでもいい男に手出されるくらいならって、あの夜小夜ちゃんを抱いた」
大学時代の私の思い出したくない思い出。
「あの日も何度も本名を言おうと思ったけど、小夜ちゃんがお金なんか渡してくるから言えなくて」
「だって……」
後ろめたくなってしまったから。
「だから、どんな形でも小夜ちゃんのそばにいて、ちゃんと好きになってもらおうと思った。それに小夜ちゃんのつまらないって思ってる人生を少しでも楽しくしてあげたい、眠れるようにしてあげたいって」
彼は私の目を見る。
「小夜ちゃんにも、ちゃんと自分を好きになってほしかった」
筒井くんは全然お金目当てなんかじゃなかった。
「なら……お金、なんで毎回受け取ってたの?」
「小夜ちゃんが割り切った関係がいいって言ったし、小夜ちゃんを抱いた回数が金額でわかるのがおもしろいなって思って。ちなみに今二百五……」
慌てて思わず民人さんの口を手で塞いだ。
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