筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
なんであんなこと言ったのかわからないけど、翌朝ベッドで目を覚ましたら……
『おはよ。小夜ちゃん』
目の前には筒井くんの裸体と満面の笑みがあった。
『え?』
当然のように私も裸だった。
『ええっ! なんで!?』
全く記憶が無くてパニックになってしまった私を見て、彼も戸惑った顔をした。
『もしかして小夜ちゃん、覚えてない?』
布団から真っ赤になった顔の上半分だけ出して小さく頷いた。
何が何だか—いや、事後なのはわかるんだけど—経緯がわからなすぎる事態。

筒井くんが言うには……
『なぜか小夜ちゃん家に行って飲むことになって、小夜ちゃんの身の上話になって』
なんで筒井くんのじゃなくて私の身の上話になってるの? って感じだけど。
『小夜ちゃん家がすげー金持ちって話から』
うわ。できるだけ誰にも知られないようにしてたのに。
『小夜ちゃんの恋愛経験の話になって』
『えっ』
思わず声が出た。酔っ払って記憶が無くても、恋愛の話で思い至ることがある。
『初めての時に上手くできなくてトラウマになったまま今でも処女だって言って』
やっぱり、その話しちゃったんだ。
『〝一生できない気がする〟って泣き出したから、そんなことないよ、そいつが下手だっただけだよって言ったら』
『もしかして〝だったら筒井くんが抱いて〟とか言っちゃった、とか……?』
彼はなんてことないって表情で頷いた。
『それで……』
『ん? 何?』
筒井くんは多分私の聞きたいことなんてわかってて聞き返した。
『した、のかな?』
『うん』
身体に違和感があるから聞くまでもなかったけど。
『身体大丈夫?』
彼は私の髪を撫でながら優しい声色で言った。
『う、うん。全然覚えてないけど……』
恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいだった私の言葉に、筒井くんはがっかりしたように『はぁ』と溜息をつくと、いきなりガバッと覆いかぶさってきた。
『きゃっ』
『それ、悲しすぎるからもう一回しよ?』
『え』
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