この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編

真相

早朝、心菜が目を覚ますと既に蓮は簡易ベッドにいなかった。

どこへ行ったんだろう。
時計を見るとまだ6時を回ったところだった。

何か連絡があるかもとスマホを見たいけれど、どこにあるのか分からない。

お腹の傷口もシクシクと痛むが、耐えられないほどではない。
ベッドの角度を自動ボタンで変えて座るような姿勢にする。

捻挫した右手には点滴の針が刺さっているから、自由に動かせるのは左手だけ。

心菜はテーブルの上にスマホと、例の封筒を見つけてドキンとする。

蓮さんはもしかしてもうこの中を見たのだろうか?

そう思うと心配になり、慌ててスマホを手にして通話履歴を見る。昨夜から蓮から何件もの着信…そしてメッセージが入っていた。

ああ、病院からの連絡じゃなくて探してくれてここまで来てくれたんだ…。

心菜は事の成り行きを今知って、どれだけ心配させてしまったんだろと、蓮に申し訳ない気持ちになる。

そして今朝5時に受信が一件。

『おはよう。
着替えをする為、一度家に戻る。
午前だけでも仕事を動かせないか調整している。心配しないで待ってて欲しい、直ぐに帰るから。』

シンプルで明白な蓮らしいメッセージ。

きっと、そろそろ帰ってくるはず。そうしたら仕事に行く前に封筒の事を話さなくては。
そう思い心菜は、

『おはようございます。戻った時にお話ししたい事があります。』

と、だけメッセージを打って蓮の帰りを待つ。

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