この唄を君に捧ぐ(誰にも言えない秘密の恋をしました)続編
「北條蓮を敵に回すと、後々大変ですよ。
貴方に非が無いとしても、彼女とお腹の子を危険に晒したのは事実です。
彼女は貴方から写真を渡された後、ショックもあって貧血で倒れた。お腹を庇いきれず、転倒して破水したんです。
倒れる前に貴方と会っていたのは、防犯カメラにちゃんと映っていました。
証拠も揃っていますので、脅迫罪が適応されます。」
弁護士の北原が、高橋の罪を容赦無く伝える。
「僕は…彼女がまさか妊娠中だなんて…会うまで知らなかったんです。日本に戻っている事は、病院で聞いたので…北條蓮とは別れた方が良いって…結婚していた事だって今、知ったばかりです。」
「じゃあ、誰が貴方に写真を渡した?
そいつが俺の自宅を知っていると言う事か?」
蓮は黒幕が誰なのか、話の先を急がすように口を挟む。
「週刊誌の記者だって言う人に、彼女に届けて欲しいと、渡されただけに過ぎないんです。」
高橋は必死に弁解をする。
「その人の名前は分かりますか?」
「いえ…〇〇芸能のフリー記者とだけ聞きました。ここちゃんに写真を渡せばきっと目が覚めるだろうって、彼女を不幸にしてはいけないとその人に言われて…
僕が浅はかでした。謝って済むとは思いませんが、ここちゃんに直接会ってお詫びをさせて下さい。」
ここでやっと高橋は、自分の愚かさに気付き頭を下げてくる。
「心菜には俺から君が謝っていたと伝えておく。彼女は君に会いたく無いと言っていたし、まだ帝王切開の傷も、君に裏切られた心の傷も癒えていない。
もう二度と彼女に近付かないで欲しい。」
蓮は淡々とそう伝え、後は弁護士の北原に託す。
「最後に1つだけ教えて下さい…彼女の赤ちゃんは…元気ですか?」
あの時、動揺しながらも救急車を呼んで、応急処置をしたのは高橋だった。医療関係者である彼が、患者を見捨てなかった事だけはまだ、良かったと言わざるおえない。
「ああ、未熟児で産まれたが今のところ元気でいる。退院はもうしばらく無理だが。」
帰り際にそう言って、蓮は森元と先に帰って行った。