世界で一番好きな人
戸惑っている暇もないくらい今日も大盛況で、次から次へとされる注文を走りながら聞いて回る。


ずっと立ちっぱなしでそろそろ足が限界だし、ずっと張り付けている笑顔も段々苦しくなってきた。



「おねーさーん」


「あ、はい!」



注文だ、と振り向くと、いかにもガラの悪そうな大学生三人組に少し気圧されたが、呼ばれたわけだし笑顔のまま近づく。



「このフルーツたっぷりパンケーキ三つとお姉さんのLINEくださーい」


「えっと…フルーツたっぷりのパンケーキ三つですね」


「違う違う。本命はお姉さんのLINEだってばー」


「ぎゃはは、怖がってんじゃんやめろよー」


「だってめっちゃ俺のタイプなんだもん。ねえお姉さん彼氏いるの?もしいないなら、この後遊びに行かないー?」


「ごめんなさい、あの…離してください…」
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