世界で一番好きな人
「へ?何それ」



バナナを切り終わった瑚子が包丁を置いて顔を近づけてきた。



「後夜祭のキャンプファイヤーの火を見ながらキスしたカップルは、永遠に別れないんだって」


「あはは、そういうのどこにでもあるよね」


「まあね、でも本当かもしれないじゃん」



もしも今日の告白がうまくいって、千瑛と付き合えたとしたら…なんて。


そんなことを考えていると、「茉莉花!」とクラスメイトの女子が何やら慌てた様子で駆け寄ってきた。



「どうしたの?」


「女子の接客足りないの!茉莉花、手伝って!」


「え」



クラスメイトの女子や瑚子達からあっという間にメイド服に着替えさせられ、ついでに軽くメイクとヘアセットもやられてぽいっと表に出される。
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