ユーとリーのほのぼの日記
 疲れ果ててぐっすり寝てしまって朝が来ました。 でも何処か変。
ユーもリーもハウスの中でゴロゴロしてます。 「何かうっとおしいなあ。」
「だって雨が降ってるんだもん。」 「そっか。 それでか。」
 雨が嫌いなリーはハウスの奥のほうで丸まって寝ています。 ユーは何となく物足りなくてうずうずしています。
おじさんたちも家に籠ったままです。 庭ではさっきからずっと雨が降り続いています。
 「何かしたいなあ。」 そう言うけどリーが寝ているのでは何も出来ません。
ユーもリーの真似をして丸まって寝ることにしました。
 どれくらい経ったのでしょうか? 「キャー!」
リーのものすごい声でユーも目を覚ましました。 「何だよ?」
「何だ、ユーか。 脅かさないでよ。」 「何したってよ?」
「いきなり尻尾を噛んだでしょう?」 「え? そうなの? ごめんごめん。」
「もう、、、。 謝ればいいと思って。」 「友達なんだからさあ。」
「友達なんだからって何度目よ?」 「知らない知らない分からない。」
そう言いながらユーは小屋の外へ転がっていきました。
 「何処に行くのよ?」 「散歩してくるわ。」
「また散歩か。」 リーはうっとおしそうな眼でユーを見送ってから小屋の奥に転がりました。

 「今日も雨が降ってるなあ。 やまないのかなあ?」 道路のあちらこちらに水溜まりが出来ています。
車がその水をビシャビシャと跳ねていきます。
「汚いなあ もう。」 ブルブルと体を震わせながらユーは歩いて行きます。
 果物屋さんを通り過ぎ、道路を渡って小学校の前を通ります。
「危ないなあ。 何すんのよ!」 歩いているユーを目掛けて誰かが石を投げてきました。
 「あの犬をぶった押したほうが勝ちだぜ。」 2,3人の子供が石を持って追い掛けてきました。
「やべえやべえ。 狙われたら適わないわ。」 ユーは懸命に走って行きます。
「やれーーーー!」 その声といっしょに石が降ってきました。
でも、、、。
 ユーがヒョイッと身を交わしたものだから八百屋さんの窓ガラスを石が直撃したようです。
怖そうなおじさんが出てきました。 「石を投げたやつは誰だ!」
「よし。 今のうちに逃げよう。」 ユーはささくさと草むらに飛び込んでそのまま逃げてきました。
「ああ、疲れたわ。 お腹も空いちゃったし、、、。」 何だか泥だらけになって庭に帰ってきたユーを見ておじさんが笑い出してしまいました。
 「ユー、その体はどうしたんだ?」 ユーはおじさんに飛び込んでいきました。
「泥だらけだなあ。 シャワーでも浴びるか?」 そう言っておじさんはユーを風呂場に連れて行きました。

 しばらくして、スッキリした顔でユーが戻ってくると、、、。
「何処まで行ってたの?」 「八百屋さんの近くまでだよ。」
「ずいぶんと行ったもんよねえ。」 「そうでもないよ。」
「そうなの? その割には泥だらけだったじゃない。」
「あれはねえ、子供に石を投げられたから逃げ回ってたのよ。」 「ふーん、そうなんだ。」
「何よ?」 「ユーらしいなと思って。」
「私らしいって? とんでもない。 これでも必死に逃げてきたんだからね。」
「分かった分かった。 そんなに吠えないの。 うるさいでしょう。」 「ったくもう、リーはいつでも平和なんだから。」
「そうよ。 喧嘩は嫌いなの。」 「へえ、餌を盗んだらすんごーーーーい顔で怒るのに?」
「食べ物は別よ。」 そこへまたおじさんがドサッと餌を置いていきました。
「今日もたっくさん有るなあ。」 「ユーのはそっちだからね。」
リーが尻尾でユーの皿を突いています。 「分かったわよ。 取らないから。」
 今日も又ユーとリーは小屋の中で仲良く?夜を迎えるのでした。
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