淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
この公園は広場と遊具が置かれている場所が半々で別れていて、戸倉瑞樹は広場の入り口から中へ向かった。
遊具などの隠れる場所がないため、麻里奈は入り口のフェンスの陰に身を隠して戸倉瑞樹様子を伺うことにした。

歩道を行き交う人たちが不審そうに麻里奈のことを見ているけれど、本人は尾行に夢中になっていて気が付かない。
遊具では子供たちの遊ぶ姿が見える中、戸倉瑞樹はまっすぐに公園の茂みへと近づいていった。

そして突然しゃがみこんだかと思うと、茂みへ向けて「おーい」と声をかけたのだ。
その行為に驚いた麻里奈は身を乗り出して戸倉瑞樹の様子を伺った。

茂みに向かって声をかけるってどういうこと?
もしかしてあの茂みの中に彼女がいるとか?

そんな妄想をしていたところ、茂みがガサガサと揺れて一匹の三毛猫が姿を見せた。
猫はニャアと可愛い声で鳴いて戸倉瑞樹にすり寄っていく。

「腹減っただろ? メシを持ってきたからな」
そう言って買い物袋の中からキャットフードを取り出して開け始めた。

麻里奈は見落としていたけれど、駅で購入していたみたいだ。
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