淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
戸倉瑞樹から餌をもらった猫は夢中になって缶詰を食べ始めた。
その間戸倉瑞樹は優しく猫の背中をなでている。

その目はとても優しくて、麻里奈の心臓はまたドクンッと跳ねた。
胸の中がジワリと熱くなっていくような感覚に麻里奈はとまどい、自分の胸に手を当てた。

麻里奈の胸はドキドキを奏で続けている。
「な、なんなのこれ」

ふと気がついて自分の頬を両手で包み込んでみると、そこも熱っぽくなっているのがわかった。
戸倉瑞樹へ視線を戻すと、なおさらドキドキがましていく。

呼吸も苦しくなるような感覚に麻里奈はその場でよろめいた。
こんな感覚は生まれて始めてだ。

もしかしたら本当に病気担ってしまったのかもしれない。
「今日はここまでにして、休まなきゃ」

麻里奈はひとりつぶやいて、赤い顔のまま急いでマンションへ戻ったのだった。
< 114 / 184 >

この作品をシェア

pagetop