淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
当然のようにそう言ってのける鈴子に麻里奈は大きな目を更に大きく見開かせた。
「戸倉瑞樹は私に興味がないってこと?」

「だから、そう言ってるでしょう?」
「私のどこがダメなの!?」

叫ぶように質問しながら、自分の全身を鏡の写す。
前から確認。

横から確認。
更にちょっと首を捻って後ろも確認。

非の打ち所がない。
「ダメなところがないのがダメってこともあるけどね」

「急に哲学みたいなこと言わないでよ」
「別に哲学ではないけど」

鈴子がおかしそうに笑う。
だけど麻里奈にとっては笑い事ではなかった。

戸倉瑞樹に出会ってからずっと男をご無沙汰しているのだ。
< 117 / 184 >

この作品をシェア

pagetop