淫夢でも溺愛されたい！ 〜サキュバスは隣人にガチ恋する～

彼氏でもない男から束縛されて他の男と関係を持つことができないなんて、麻里奈には考えられないことだった。
「仕方ないから今日も仕事に行ってくる」
「それがいいと思うよ」

鈴子もこれから部屋にこもって仕事をするのだろう、目覚まし用のブラックコーヒーを準備し始めた。
「今日も綺麗？」
玄関先で振り向いて鈴子にそう質問すると、鈴子は適当に頷いた。

「そうね。悪いのは性格だけって感じ」
そんな嫌味は日常茶飯事なのでいちいち気にしない。
「あ、そうだ。今日も帰りは遅いから気にせずに寝ててね」

「飯田さんデート？」
そう聞かれて麻里奈はその場で逡巡した。
飯田って誰だっけ？