最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
六章 悪魔降臨
 エミルがいた運動場の隅には、ロイが見物人として座っていた。全員が顔を合わせたところで、彼がサードへ顔を向けて偉そうに口を開いてこう言った。

「そっちは、ようやく終わったのか。少し遅かったな」
「…………お前、椅子代わりにしているそれ、理事長の石像じゃねぇの? つか、これって中庭の噴水の方に建っていたやつだよな?」

 そこは、エミルの爆破地点から少し離れた場所だった。ロイは自分の聖剣を地面に突き立て、そこに転がっていた大きな石像に腰かけていた。

 美麗な理事長の顔を見事に模した石像で、彼はその顔部分を躊躇なく尻に敷いている状態だ。実のところお前理事長が嫌いというか、苛々した鬱憤分を晴らすみたいに座っているんじゃ、とサードは指を向けて口にしてしまう。

 だがロイは、そんなサードの意見を無視した。東側校舎の『死食い犬』を一掃した後、エミルが爆音で騒ぎ立てているのに気付き、魔獣を引き寄せるのではないかと推測して途中から合流したのだと語る。
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