祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「ほら……部下の方だってそう言っているんですよ。おかしいのは性格が悪い王子だと思います。団長は何も悪くないです!」

 その時、少しだけ気になったのは座り込んだままの部下の人が泣きそうで悔しさを滲ませる顔をしていたことだ。彼は怪我をしているんだから、それは当たり前のことかもしれないけど……。

「……はは。ありがとう。聖女様も、ありがとうございます。そのように聖女様に言っていただけるのであれば、私の騎士としての人生も報われるというものです。さあ……聖女様。そろそろ日も暮れますので、テントの中へとお戻りください」

 私は怪我をしていた騎士さんを見ると、彼も自分は大丈夫だと言わんばかりに頷いて微笑んだので、ほっと息を着くと団長に促されて私用に用意して貰っていたテントへと戻ることにした。


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