もう一度キミと青春を。
「大丈夫かって何が?俺、彼女いないよ」


「でも、真中さん…」


「紬はただの友達。まぁでも、花純が行きたくないなら諦めるけどさ」


そうなの…?


友達、か。


萌音は、真中さんと蒼空は付き合う直前だって言ってたけど、違ったのかな。


「どうする?行く?」


「うん、行きたい」


そう答えると、蒼空は嬉しそうに笑ってくれた。


その屈託ない笑顔にキュンとする。


「なら決まりね。花純自転車?」


「ううん、今日は車で送ってもらった」


「おっけー、なら駅までは俺の自転車で行こっか」


ってことは、また2人乗り…?


あの頃はまだ恋心がなかったから耐えれたけど、今は心臓が持つかどうか…。


大丈夫かな、私…。


「2人乗り嫌?」


「う、ううん!嫌じゃない!!」


思わず勢いよく答えてしまい、蒼空が声を出して笑った。


「やっぱ花純おもしろいなー。花純といると元気貰える」


「そ、それはナニヨリです…」


はずかしい…。


まるで楽しみにしてるみたいじゃん…。


私としたことが…。


「じゃ、今日の放課後。紬にバレたらめんどくさいから、駐輪場集合な」


「わかった。楽しみにしてるね」


「ん。俺も」


蒼空はクシャッと笑って教室の皆の輪の中に戻って行った。
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